IPA:利用規約内に料金が明示されていれば、有料サイトだということです。
あらあら。
こっちは断言しちゃったよ、この人は。

だからワンクリ業者御用達だって言うんですよ。

デパートの少し隠れた場所に 『当店の価格は半額で表示されています。お会計は本来の金額でご請求します。お客様が商品を手に取った時点でお買い上げになったものとします。』 と書いていれば、正札の倍額を請求できるんでしょうね。
レジへ持って行った時点で契約は成立、消費者は倍額を支払う義務があって、裁判所も倍額払えと判決を下すんでしょうね。

インターネットを利用した契約に於いては、誰でもわかりやすく有料であること、金額、支払い方法等、『契約の重要事項』を表示することになっています。また、ガイドライン(・・pdfです)にも記載の 『申し込みボタン』 を表示することになっているでしょ?

どのワンクリサイトがガイドラインに沿った表示をしていますか?

『よく見ろよ、ちゃんと規約に書いてるだろ』 は、ワンクリ業者の言い分そのものです。
こうなれば、もう、経済産業省と意見がまっぷたつですね。

常識で考えてもIPAの負けです。

IPAさんは、ワンクリ業者の言い分そのままを再掲しているんですよ。
おわかりではないでしょうか?
『利用規約内に料金を書いていれば有料』 は、ワンクリ業者が勝手に言い始めたことで・・・・も無いんですよね。
実は、警視庁等も言っていましたし、相談掲示板でも 『規約も無いサイトの言い分を聞くことはない』 などと言って、ワンクリサイトに規約を置かせる下地を作っています。

対策側がワンクリサイトを育ててしまっているんですよねぇ・・・

困ったものです。


数年前から、私も回答をしている夢なら助け合い掲示板では、契約の基本と特定商取引法を中心に据えた回答をしています。
電子消費者契約法云々と言っていた頃には、ワンクリサイトは確認画面を作るなど、それなりに対応していました。
ところが、特商法と言い始めて5年になりますけど、一向に特商法に沿った、あるいは沿ったように見せたワンクリサイトは現れません。

つまり、特商法に沿ってしまえばワンクリサイトではなくなってしまうんですよ。
当然、法に沿えば悪いことはできません。運営者を明らかにしなければいけませんし、何より、うっかり金払え画面に飛んでしまって送金してくれる人がいなくなってしまいます。

『有料で、10万円だよ。払って契約するかい?』 と書いたボタンを置く羽目になるんですから、もうそれをクリックする人はいなくなります。
『10万円なら相当な動画を見られるだろう』 とクリックした人は、あまりに貧弱な内容に腹を立てて、実在する運営者に向かってクレームを付けることでしょう。
法に沿えば、架空住所・架空運営者名で逃げることはできません。
たとえ運営者情報を隠したとしても、形だけでも法に沿ったフリをしてしまえば、そこでワンクリサイトは消えたことになります。

申し込み無く成立しないという契約の基本、及び特定商取引法を基準に据えることの重要性を理解していただけましたか?
あぁそうそう、特商法を持ち出したのでは契約の無効を主張できないとか、単に行政指導の対象になるに過ぎないとか仰有る向きがありますけど、これは見るべきポイントが違います。

特商法の定めによって、契約が元々成立する形のサイトではない、という判断ができることが重要なのです。

インターネット通販において、これこれこういう手続き、画面表示、ボタンなどが必要だよ、と規定しているのが特商法です。
これに沿わない = そのサイトで契約が成立したと認められないですから、わざわざ無効の主張だとか取り消しだとかをする必要さえ無いですね。
概ね法に沿ってはいるけど、微妙に沿わない点があって、等の場合は争うこともあるでしょうけど、ことワンクリサイトに限っては 『契約の申し込み』 自体が無いですから、初めから問題になりません。

特商法 『だけ』 を見ようとしては判断を誤ります。
契約の基本を頭に置いて、特商法に定める 『インターネット通販に必要な表示・手続き』 と照らし合わせることで、適切な判断をすることができます。




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